BXattritta パッケージのインストール法に絡めて updmap の解説をしたが、肝心のパッケージの使用法をまだ述べていなかったのでここで書いておく。
「和文ゴシック + 欧文サンセリフ」を「マルベリ + Attritta」にする例。bxattritta パッケージに sfgt オプションを付けるとサンセリフ(\sffamily
)の既定が Attritta になる。さらに noalphabet 指定の pxchfon で和文のゴシックを「マルベリ」にすればよい。
% pLaTeX 文書 \documentclass[a4paper]{jsarticle} \usepackage[noalphabet]{pxchfon} % pxchfon は和文のみに適用 \setminchofont{ipam.ttf} % \mcfamily → IPA明朝 \setgothicfont{MTLmr3m.ttf} % \gtfamily → マルベリ \usepackage[sfgt]{bxattritta} % \sffamily → Attritta \begin{document} % \rmfamily は CM Roman のまま BXattritta パッケージの使用例です。\par \sffamily IE 11以上、Firefox 14以上、Chrome 37以上を推奨。 \end{document}
先のものはエンコーディングを(LaTeX 既定の)OT1 のままにしていた。T1、TS1 エンコーディングを使うには、それらを使う設定を普段通り行えばよいだけである。
% pLaTeX 文書 \documentclass[a4paper]{jsarticle} \usepackage[T1]{fontenc} % T1 を既定にする \usepackage{textcomp} % TS1 の記号を使えるようにする \usepackage[noalphabet]{pxchfon} % あとは同じ \setminchofont{ipam.ttf} \setgothicfont{MTLmr3m.ttf} \usepackage[sfgt]{bxattritta} \begin{document} \sffamily % \textyen は TS1 で提供される このボールペンは900円もした。\par Ce stylo \`a bille m'a co\^ut\'e au moins de \textyen 900. \end{document}
「丸ゴシック」を「ゴシック」と別に使いたい場合は、OTF パッケージの deluxe オプションで和文丸ゴシック(\mgfamily
)を使えるようにした上で、bxattritta を rsmg オプション付で読み込む。これで「欧文丸ゴシック」用の総称ファミリ \rsfamily
が新設され、これが \mgfamily
と連動するようになる。
\documentclass[a4paper]{jsarticle} \usepackage[noalphabet]{pxchfon} \usepackage[deluxe]{otf} \setminchofont{ipam.ttf} % \mcfamily → IPA 明朝 \setgothicfont{ipag.ttf} % \gtfamily → IPA ゴシック \setmarugothicfont{MTLmr3m.ttf} % \mgfamily → マルベリ \usepackage[rsmg]{bxattritta} % "\rsfamily" を Attritta にする \begin{document} \rmfamily 明朝 + Serif Family \par \sffamily ゴシック + Sans-serif Family \par \rsfamily 丸ゴシック + Rounded-sans Family \par \end{document}