更新した。
- github:zr-tex8r/PXrubrica 「Downloads」リンクからアーカイブを取得できる。
今回の更新では次のオプションが追加されている。
e
/E
オプション=親文字列均等割り有効/無効: グループルビ(g
)の時に、E
オプションで親文字列の均等割りを抑止する。親文字列をグループ({ }
)で囲って一文字扱いにしたのと同じになる。モノルビ・熟語ルビには影響しない。e
はE
の否定だが、こちらは既定だから通常は指定の必要はない。H
オプション=拡張肩付き:H
オプション指定のモノルビは、常に各親文字毎にルビと先頭を合わせる形で組まれる。通常の肩付き(h
)はルビの方が短い時にのみ合わせるという点でこれと異なる。本パッケージでは、突出の調整は各文字ごとに適宜|
や||
で行うことを原則とするが、複数文字のモノルビにH
指定することで、各文字に||h
指定したのと同じ効果が得られる。(例えば、\ruby[Hm>]{攘夷}{じよう|い}
は\ruby[||hm|]{攘}{じよう}\ruby[||hm>]{夷}{い}
と同じになる。)h
と同じく、縦組でかつモノルビ・熟語ルビの場合にのみ指定できるが、熟語ルビでのH
指定はh
と変わらない(ルビが長くなるとグループルビ扱いになるので)。f
/F
オプション=小書き仮名変換有効/無効:f
を指定すると、ルビ文字中の小書き仮名(〈ぁぃぅぇぉっゃゅょゎ〉とそのカタカナ)を対応する非小書き仮名に変換する。
「肩付き指定で長いルビを付す場合」の例をこの設定を用いて書き直してみる。(ただし、今回は進入ありにしている。)
\documentclass{jsarticle} \usepackage{otf} \usepackage{plext} \usepackage{pxrubrica} \newcommand{\jquad}{\hspace{1zw}} \rubysetup{<jf>} % 小書き仮名を変換する \begin{document} \noindent \begin{minipage}<t>{20zw} \ajKakko{1}\jquad % \ruby[g]{{休憩中}}{きゅうけいちゅう} と同じ \ruby[gE]{休憩中}{きゅうけいちゅう}で \ruby[||gE]{視聴中}{しちょうちゅう}\par \ajKakko{2}\jquad % これは新機能と関係なし \ruby[j]{休憩中}{きゅう|けい|ちゅう}で \ruby[j]{視聴中}{し|ちょう|ちゅう}\par \ajKakko{3}\jquad % \ruby[||mh|]{休}{きゅう}\ruby[||mh|]{憩}{けい}\ruby[||mh>]{中}{ちゅう} と同じ \ruby[mH]{休憩中}{きゅう|けい|ちゅう}で \ruby[mH]{視聴中}{し|ちょう|ちゅう}\par \end{minipage} \end{document}
また、\aruby
命令の仕様を確定させた。\aruby
は親文字が欧文である場合にルビを振る命令であり、必ずグループルビとなり、また親文字の均等割りが無効になる。その他、前後の文字との調整(TeX のグルー・ペナルティの設定)も欧文を想定して行われる。
\documentclass{article} \usepackage[T1]{fontenc} \usepackage{lmodern} \usepackage{pxrubrica} \begin{document} ?`\aruby{Por}{ポル} \aruby{qu\'e}{ケ} \aruby{no}{ノ} % \aruby{te}{テ} \aruby{callas}{カージャス}? \end{document}