マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

Palatino Linotype で試して見ると (2)

昨日の記事で、Palatino Linotype (+ .enc ファイル + dvipdfmx)でも「特定の環境だけ表示されない」現象が生じると書いたが、改めて、Windows XP + Adobe Reader 9 での Palatino の表示を試したところ、正常に表示されていた。つまり、昨日書いたことは全く間違っていた。かなり昔に同じ組み合わせで表示されなかったのははっきり覚えているが、恐らくその時は状況が違うのだろう。昨日の記事では

実は、私はこれまで、Palatino Linotype が上手くいかない原因は、「グリフ名の情報をもっていない〔post テーブルの Version 値が 3.0 である。〕」からだと判断していた。この場合、otftotfm は /uniABCD 形式のグリフ名を出力(修正後の)エンコーディングで用いるのであるが、そもそも本当はグリフ名は存在しないのだから「特別に対処する必要」があるはずで、それは pdfTeX では対応してても dvipdfmx ではダメなんだろうと考えていた。

と書いたが、今改めて考えると、やはりここで挙げた推測――過去の dvipdfmx はグリフ名情報のない OpenType フォントには対応していなかった――が最も妥当のように思える。つまり「M+ 1P」が表示されないのとは理由が異なるということである。

どのようなフォントで「Adobe Reader 9 + .enc ファイル + dvipdfmx で表示されない」現象が起こるのかを調べるため、Windows XP にインストールされている全ての OpenType(TrueType を含む)フォントで当該の組み合わせを実際に試してみた。結果は非常に単純だった。

やはりこの現象は CJK フォントに特有のものらしい。従って、欧文フォントを「.enc ファイル + dvipdfmx」を用いて PDF 文書に埋め込んで、手許の環境で表示されているならば、どの環境でも正しく表示できると期待して構わないだろう。(少なくとも、そうでないという現象は私は知らない。)