2 節、第 3 小節
逆に、ラテンアルファベット表記言語環境において……
要するに、\forignlanguage
命令は「入力言語」を切り替えるが、\textlatin
や \textgreek
命令は言語を切り替えずに単にフォントエンコーディングのみを切り替えている。複式ギリシャ文字の入力は「言語がギリシャ語」でないと上手くいかない。
ところで「ラテン(ギリシア)アルファベット」と「ラテン(ギリシア)文字」の用語が共存しているが、その違いは何だろう。
〔表I.8 ギリシア語入力法における補足〕
Ἠσαΐᾳ の入力表記が不正:「>Hsa'"ioa|
」→「>Hsa'"ia|
」
単式アクセント記法(現代)では……
現状の Babel の仕様では、ギリシャ語のための言語名は常に greek
で、((つまり、ギリシャ語に切り替えるのは複式の場合でも \selectlanguage{greek}
とする。))複式アクセントを使う場合は Babel 読込を次のようにする。
\usepackage[greek]{babel} % もちろん他言語も追加可能 \languageattribute{babel}{polutoniko}
言語名を polutonikogreek
とする旧方式もサポートされているが、これを使ったとしても単式と複式の環境を共存できる訳ではないことに注意。((greek
と polutonikogreek
のどちらも複式の動作をする。単式ギリシャ語の入力法は複式のサブセットなので、複式の状態でも単式は支障なく入力できるが、キャプションが複式現代ギリシャ語になってしまう。ちなみに、teubner パッケージも内部で \languageattribute
を実行しているので全く同じ状況である。))
また、「右アポストロフィ」は、例えば、「母音省略(ellision)」や「母音融合(crasis)」に……
母音融合(crasis)と「コローニス(coronis)」について。前に「Q & A」で議論した時にも色々と調べた記憶があるけど、今 Wikipedia をちょっと見てみたら以下のような説明があった。
coronis は crasis による母音を顕示する。昔(ancient times *1)は母音の後に置かれるアポストロフィ(例: τα’μά)であったが、今日では母音の上に書かれて無気記号と同じになっている(τἀμά)。……
つまり、「昔の書き方」をしたい場合はアポストロフィと同じ入力(上掲の例では ta''m'a
)をすればよく「今の書き方」の場合は無気記号と同じ入力(t>am'a
)をすればよい。ただ「母音の後に置く」coronis を無気記号のグリフで書きたいという人もいるらしい。*2取り敢えず、{>}
と書けば単独の無気記号〈᾿〉が出力できる。