というわけで、イロイロ2イロイロ(別名:TeX2img)(の Windows 版)を使って、「majority ナントカ のせいで /Rotate な PDF をどうにかする」を試してみた。
/Rotate な PDF をこしらえる
早速 TeX2img の最新版をインストールしたので、イロイロ2イロイロ(今の場合は PDF2PDF)しようと思ったのだが、ここで致命的な問題に気付いてしまった。
手許に /Rorate な PDF 画像がない。
どうやら R を使うと作れるらしいが、面倒くさいので、TeX で頑張ってみる。
% latex + dvips で処理する \documentclass[a4paper,dvips]{standalone} \usepackage{graphicx} \begin{document} test$\to$ \rotatebox[origin=c]{180}{Hello, {\TeX} world!} \end{document}
これを次の手順で PDF に変換する。
latex majdec dvips majdec.dvi ps2pdf majdec.ps
生成された majdec.pdf を Adobe Reader で見ると……
おお、全体が逆さまになっている。素晴らしい!(えっ)
念のために「extractbb majdec.pdf
」してみると……
extractbb:warning: << /Rotate 180 >> found. (Not supported yet)
警告が出るので、確かに /Rotate
が含まれていることが判る。
イロイロ2イロイロしてみる
無事に所望の画像が得られたので、TeX2img してみた。
TeX2imgc /with-text majdec.pdf majdec-out.pdf
生成された majdec-out.pdf を Adobe Reader で見ると、当然ながら、変換前の majdec.pdf と同じ表示になる。
そして、この 2 つの PDF 画像を LaTeX + dvipdfmx な文書に挿入してみる。
% latex + dvipdfmx で処理する \documentclass[a4paper,dvipdfmx]{article} \usepackage{graphicx} \begin{document} \begin{center} \includegraphics{majdec.pdf} \par\bigskip \includegraphics{majdec-out.pdf} \end{center} \end{document}
この出力は……。
変換前の majdec.pdf は「dvipdfmx が /Rotate
できない」ために回転無しの(間違った*1)出力になっているが、変換後の majdec-out.pdf は正しい出力になっている。すなわち、変換によって /Rotate
が“確定”できたわけである。
*1:Ghostscript が行う「majority dfecision」が妥当か否かは意見が分かれる所だろうが、何れにしても、Ghostscript が回転を行っていることは揺るぎのない事実である。だから、この PDF 画像を出力する場合は、回転させるのが唯一の正しい出力方法である。