マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

BXjscls の新しいやつ(v1.2)

W32TeXTeX Live では既に更新されている。

\bf や \it で警告がもらえる話

日本の TeX 界隈を騒然とさせていた、\bf\it 等の“二文字フォント命令”に対する警告であるが、ついに、BXJS クラスでも正式に対応した。

\documentclass[uplatex,dvipdfmx,a4paper,ja=standard]{bxjsarticle}
\begin{document}
{\bf 警告}、ゲットだぜ!
\end{document}

このように二文字フォント命令を利用した文書をコンパイルすると、処理の終わり付近で次のような警告メッセージが表示される。*1

Class bxjsarticle Warning: Some old font commands were used in text
(bxjsarticle)              (see the log output for detail).
さらに充実したユーザ体験を求めるアナタに

「こんなショボい警告ではヤダ! もっとゴージャスなのがいい!」とか「警告されるよりも(特に☃に)賞賛されるほうがいい!」とかいう人は、ぜひとも bxoldfontcmd パッケージを試してみよう。

ちなみに……

「警告イラネ」という場合は oldfontcommands オプションを書こう。

% 警告なら間に合ってますです
\documentclass[uplatex,dvipdfmx,a4paper,ja=standard,oldfontcommands]{bxjsarticle}

dvi オプション

dvi オプションにより、「実際に DVI 出力だった場合にのみ効力をもつ DVI ドライバ指定」を行える。

\documentclass[autodetect-engine,dvi=dvipdfmx,
    a5paper,ja=standard,jafont=ipaex]{bxjsarticle}

この指定をもつ文書を、upLaTeX でコンパイルするとドライバ指定は dvipdfmx になる。しかし、LuaLaTeX でコンパイルした場合は、dvi=dvipdfmx は無視されてドライバ指定は luatex となる。((ここで dvi=dvipdfmx の代わりに dvipdfmx を指定してしまうと、LuaLaTeX でコンパイルした場合に「ドライバ指定がおかしい!」と怒られる。))

この dvi オプションは以前に存在した「dvipdfmx-if-dvi」を他のドライバにも適用できるように一般化したものである。((今のところ、dvipdfmx-if-dvi は非推奨になったわけではないので、これを使っても(残念ながら)警告は出ない。))

magstyle オプションの“名前”

JS クラスでも「magstyle オプション」に相当する機能が実装されたので、オプションの値の名前を JS クラスに合わせて*2変更した。*3

従来の指定新しい指定備考
magstyle=magmagstyle=usemagmag機能使用
magstyle=realmagstyle=nomagmag不使用
magstyle=xrealmagstyle=nomag*mag不使用、NFSSパッチ有

ちなみに JS クラスでは key-value 形式でなく単に「usemag」「nomag」と指定する。BXJS でも「magstyle=」は省略できるようになっている。

その他もろもろ

  • 動く引数中で \@ を用いた場合に aux ファイル中で後続の空白文字が消えてしまう不具合を修正。
  • 万一“2.09 互換モード”で BXJS クラスが読み込まれた場合は致命的エラーとする。
  • graphics/color パッケージ対策で nosetpagesize をグローバルに指定した。
  • コレの修正。

*1:実は、ログファイルにはさらに充実した警告が出力されているので、「もっと警告を満喫したい」という人はログファイルを眺めてみるのもいいだろう。

*2:元々 magstyle の値の名前は不明確でイマイチだと思っていたので、JS クラスの開発者陣と相談して“解りやすそうな”名前を新たに決めた次第である。結局「mag を使うか使わないか」で認識するのが解りやすいと判断されたわけである。

*3:従来の指定が非推奨になったわけではないので、それを使っても(残念ながら)警告は出ない。