聞くところによると、Markdownでとにかくデカイ文字が簡単に書けると便利なようです。
しかし残念なことに、元来のMarkdownは意味的なマークアップを指向したものであるため、今世にあるMarkdownの各種方言はどれも「見出しを書く」ことができても「デカイ文字を書く」ことができません。このことがデカイ文字の熱狂的ファンがMarkdownの採用を躊躇する一因となっていることは否めないでしょう。
というわけで、Markdownでデカイ文字を書くためのPandocフィルタを作ってみました。
- biggggg.lua(Gist/zr-tex8r)
文字をデカくする
このフィルタを使う場合、デカイ文字は「big
クラスをつけたspan要素」として表されます。Pandoc Markdownの記法では次のように書きます。
[sample1.md]
Pandocは[アレ]{.big}。
早速このMarkdownをHTMLに変換してみましょう。
pandoc sample1.md --lua-filter biggggg.lua -s -o sample1.html
デカイ! 便利!
今度はLuaLaTeX経由でPDFに変換してみましょう。
pandoc sample1.md --lua-filter biggggg.lua -o sample1.pdf --pdf-engine=lualatex -V documentclass=bxjsarticle -V classoption=pandoc
デカイ! 便利!
※現状では、対応する出力形式はHTMLとLaTeX(経由のPDF)に限ります。
文字をもっともっとデカくする
「これだけのデカさでは物足りない」という人はもっともっとデカイ文字も使えます。クラス名としてbig
の代わりにbigg
、biggg
、bigggg
、……とすることで、文字をどんどんデカくできます。
[sample2.md]
Pandocは[アレ]{.bigg}[アレ]{.bigggg} [アレ]{.bigggggg}[アレ]{.bigggggggg}。
※見やすさのため、Markdown中に改行を入れました。この改行は(空白にならずに)無視されてほしいので、pandoc実行時にオプションに-f markdown+ignore_line_breaks
を追加することにします。
もっともっとデカイ! 便利!
強調文字もデカくする
もちろん、デカイ文字を他の文字装飾と組み合わせることもできます。
[sample3.md]
Pandocは[アレ]{.bigg}、TeXは[超絶**アレ**]{.bigggggg}。
強調付きでデカイ! 便利!
まとめ
Pandocはネタ記事を書くのに便利!(えっ)