XeLaTeX についての日本語の解説ページを見ると、fontsepc パッケージに cm-default
オプションを指定した例をよく見かける。
\usepackage[cm-default]{fontspec}
このオプションは、fontspec が行う既定値(Latin Modern フォント)の設定を完全に抑止するもので、この前に別のフォントパッケージの読込がなければ基本フォントは Computer Modern フォント(CM フォント)になる。しかし、この設定を行うと、8 ビットの(TFM ベースの)フォントと Unicode フォントが非数式フォントとして混在することになるので、LaTeX の NFSS と fontspec の動作を熟知している人でない限り、この設定は薦められない。
% XeLaTeX 文書; 文字コードは UTF-8
\documentclass[a4paper]{article}
\usepackage[cm-default]{fontspec}
\usepackage{xltxtra}
\newfontfamily\ipam{IPAMincho}
\begin{document}
Хорошего Дня % これは勿論ダメ
and
Glückliche % これもダメ
{\TeX}ierung!
% 版によって↓がエラーになったり「変な設定」になったりする
{\ipam コマンド名は \texttt{xelatex} です。}
\end{document}
実は、この cm-default
オプションは fontspec の 2 版では廃止になってしまっている。というわけで、結局このオプションの存在は忘れたほうが賢明と思われる。