前回の続き。全体の印象は「TeX 60%、電子書籍 60 %」といった感じ。*1
《招待講演》 電子書籍と Web と XML の組版技術
村上真雄 (アンテナハウス)
EPUB3.0(XHTML + CSS)および XML 組版技術(XSL)の紹介と基礎的な解説。
〔スライド作成ソフト: AH Formatter v6.0〕
補足してみる
- @muratamakoto さんは偉い人
- EPUB3 で使える埋込フォントの形式は OTF/WOFF。
- Opera の CTO である Håkon Wium Lie 氏は CSS の生みの親。14 ページで出てくる YesLogic 社の役員でもある。彼は紙の書籍で「巻物→冊子」の以降が起きたように、Web でもページ化の動きが進むのではという持論を述べている。
何か書いてみる
- 予稿には 5 項目の題目が載っていて、その中で私が一番興味があったのは言うまでもなく最後の
Web 系組版技術は TeX と競争 or 共存?
であった(村上さんの過去の公表資料を見て他は大体知っている)。残念ながら、このテーマの話はなかったように思える。大人の事情か、それとも単にその話題をまとめるだけの時間がなかったのか。 - 「多言語の文字組版」という題目もあったのか。TeX 屋は多言語に興味のある人の割合が高そうだから、これもきちんと扱った方が良かったかも。
質疑応答
- Q: アンテナハウス社の製品を使う場合、WYSIWYG で入力できるのか?
- A: XML 文書は通常の XML エディタで入力してもらうことになる。将来の発展に期待したい。
- この答えからすると、アンテナハウス社では XML 文書の入力手段は提供していないのかも知れない。スタイルシートの定まった文書であれば、元の XML 文書から最終的な画面出力までの技術はもっているはずなので、WYSIWYG 編集はやろうと思えばできそうではある。もちろん、構造化マークアップ文書を得るのが目的なので、what you see が what you get に限られる*2のでは使い物にならないが。
- Q: XML 組版に関する日本語のよい資料はないか?
- A: アンテナハウス社のサイトにも入門的な資料があるが十分でない。今すぐには適当な答えが思い当たらない。