マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

「TeX ユーザの集い 2011」について何か書いてみる (2)

前回の続き。全体の印象は「TeX 60%、電子書籍 60 %」といった感じ。*1

《招待講演》 電子書籍と Web と XML組版技術

村上真雄 (アンテナハウス)

EPUB3.0(XHTML + CSS)および XML 組版技術(XSL)の紹介と基礎的な解説。
〔スライド作成ソフト: AH Formatter v6.0〕

補足してみる
  • @muratamakoto さんは偉い人
  • EPUB3 で使える埋込フォントの形式は OTF/WOFF。
  • Opera の CTO である Håkon Wium Lie 氏は CSS の生みの親。14 ページで出てくる YesLogic 社の役員でもある。彼は紙の書籍で「巻物→冊子」の以降が起きたように、Web でもページ化の動きが進むのではという持論を述べている。
何か書いてみる
  • 予稿には 5 項目の題目が載っていて、その中で私が一番興味があったのは言うまでもなく最後の
    Web 系組版技術は TeX と競争 or 共存?
    であった(村上さんの過去の公表資料を見て他は大体知っている)。残念ながら、このテーマの話はなかったように思える。大人の事情か、それとも単にその話題をまとめるだけの時間がなかったのか。
  • 「多言語の文字組版」という題目もあったのか。TeX 屋は多言語に興味のある人の割合が高そうだから、これもきちんと扱った方が良かったかも。
質疑応答
  • Q: アンテナハウス社の製品を使う場合、WYSIWYG で入力できるのか?
  • A: XML 文書は通常の XML エディタで入力してもらうことになる。将来の発展に期待したい。
  • この答えからすると、アンテナハウス社では XML 文書の入力手段は提供していないのかも知れない。スタイルシートの定まった文書であれば、元の XML 文書から最終的な画面出力までの技術はもっているはずなので、WYSIWYG 編集はやろうと思えばできそうではある。もちろん、構造化マークアップ文書を得るのが目的なので、what you see が what you get に限られる*2のでは使い物にならないが。
  • Q: XML 組版に関する日本語のよい資料はないか?
  • A: アンテナハウス社のサイトにも入門的な資料があるが十分でない。今すぐには適当な答えが思い当たらない。

*1:「補足してみる」の項は「発表者が喋っていた内容でスライドに書いていないもの」、「何か書いてみる」の項と「質疑応答」の「A:」の後にある項は「私の主観に基づくコメント」を表す。

*2:一般的な WYSIWYG の一番の問題点はこれだと思うのだが。