マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

Babel な話:ドイツ語の引用符でない何か (1)

「グダグダ(3)」の記事において、「例の付録」の「ドイツ語入力法」の表の中に不適切なものがあると指摘した。ここで改めて出題してみる。

以下に示す各種のドイツ語用の引用符の「LaTeX + Babel のドイツ語([n]german)」での入力の方法として誤っているのはどれか。
(以下は „…“ の出力に対応)
(1) "`Deutsch"'
(2) ,,Deutsch``
(3) \glqq{}Deutsch\grqq
(以下は ‚…‘ の出力に対応)
(4) ,Deutsch`
(5) \glq{}Deutsch\grq
(以下は »…« の出力に対応)
(6) ">Deutsch"<
(7) >>Deutsch<<
(8) \frqq{}Deutsch\flqq
(以下は ›…‹ の出力に対応)
(9) \frq{}Deutsch\flq
(以下は «…» の出力に対応)
(10) \flqq{}Deutsch\frqq
(ただし入力は全て ASCII 文字からなる。また、T1 エンコーディングを仮定する。)

もちろん、誤っているのは「入力」であり、この 5 種類の引用符はどれもドイツ語で用いられるものである。

上掲の中で (2)、(4)、(7) 以外は Babel(ドイツ語)に特有の入力方法であり、これらは全て正しい。

Babel 入力出力文字
命令略記文字UCSLICR
\glqU+201A\quotesinglbase
\grqU+2018\textquoteleft
\glqq"`U+201E\quotedblbase
\grqq"'U+201C\textquotedblleft
\flqU+2039\guilsinglleft
\frqU+203A\guilsinglright
\flqq"<«U+00AB\guillemotleft
\frqq">»U+00BB\guillemotright

というわけで、「誤り」は (2)、(4)、(7) の何れかに絞られた。これらは何れも「LaTeX の特異的な入力」に関するものであるが、少し考えれば「誤り」に気付くと思う。