マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

チョット数式フォントしてみる話(補足)

前回の続き)

もっともっと知りたい人は

以上で、数式フォントの設定を行うための必要最低限となる、チョットの解説を終えることにする。

数式フォントについてもっともっと知りたいアレな人は、LaTeX の配布物に含まれる公式のマニュアルを読もう。

  • LaTeX2e font selection (CTAN)
    TeX Live 環境であれば「texdoc fntguide」で同じ文書が開く。
    この中の 3 節「Math fonts」が数式フォントの解説である。

ん? でも NFSS についてよく理解している(“無慈悲な大前提”を満たす)人なら、この文書は当然読んでいるような気がするぞ? あれっ、だったらこの一連の記事はそもそも要らなかったのでは……。

LaTeX の既定の設定を知りたい人は

LaTeX における既定の数式フォントの設定を知るには、LaTeX の実装ソース(これは source2e.pdf という PDF 文書として配布されていて、「texdoc source2e」で開ける)を見るのが手っ取り早い。source2e.pdf においては「The fontmath.ltx file」の節(第 40 節あたり)が相当する。

ちなみに、節タイトルを見て判るように、数式フォント設定の部分の(“strip した”)ソースは、latex.ltx の中に含まれるのではなく、fontmath.ltx という別のファイルになっている。

おわりに

皆さん、幸せになりましょう。

演習問題⑦

LaTeX の標準の数式フォントではラテン文字ギリシャ文字が使えるが、非常に残念なことに、キリル文字には対応していない。そこで、キリル文字の数式フォントを定義して、以下のような数式を出力しよう。

(細部の仕様については各自の設計に任せる。)

演習問題⑧

LaTeX の標準の設定では、ギリシャ文字の小文字はイタリックしか使えない。newtxmath などの数式フォントパッケージではギリシャ小文字の直立体をサポートしていて、例えば \alphaup で直立体の〈α〉を出力できる。しかしラテン文字\mathrm\mathit で書体を変更するのと比べると、別の命令で対応するのは一貫性に欠ける。

この点を是正して、\mathrm\mathit といった数式英字フォント命令により数字・ラテン文字ギリシャ文字の全ての書体を指定できるような命令の体系を実現するための方法論について考察してみよう。