BXjscls の新しいやつ(v1.2a)
以前の記事で触れられているように、また新しくなっている。
- Package BXjscls (CTAN)1.2a 版。
重要なお知らせ
bxjsbook クラスについては、近い将来にページレイアウトの大きな変更が行われる。以下の記事を読んで必要な対策を取ってほしい。
- bxjsbook に関する残念な話 (某ツイーター)
layout オプション
layout=v2
: jsbook クラスと同様のページレイアウトを用いる。layout=v1
: 1.2 版以前のページレイアウトを用いる。
textwidth-limit オプション
textwidth-limit=<整数>
: bxjsbook における行長の上限値(全角単位)を指定する。既定値は 40。
詳細は以下の記事を参照されたい。
- jsbook や bxjsbook の左右マージンを理解する (某ツイーター)
fancyhdr パッケージ対策
jsbook で fancyhdr するとアレ
先の記事で述べられているように、jsbook/bxjsbook クラスには「ヘッダ・フッタ領域の横幅」を表す \fullwidth
という独自のレイアウトパラメタが存在する。fancygdr パッケージを利用してヘッダ・フッタ(((bx)jsbook クラスにおいては、既定のページスタイルがフッタを全く用いないため、ページレイアウトはフッタ領域を無しにしている。そのため、bxjsbook クラスでフッタを用いたい場合はページレイアウトを変更(\setpagelayout
)する必要がある。))書式を変更しようとする場合、fancyhdr は当然この \fullwidth
についての知識を持たないため、“既定のヘッダ(headings ページスタイル)と同じ感じ”には出力されない。
例えば次のように、jsbook クラスで fancyhdr を利用したとする。
% upLaTeX 文書; 文字コードは UTF-8 \documentclass[uplatex,a4paper]{jsbook} % 例えば, ページ番号を, 前に巻番号を付けて "42-3" のように % するために, fancyhdr を利用したとする. \usepackage{fancyhdr} \pagestyle{fancy} \newcounter{Volume} \setcounter{Volume}{42}% 巻番号 \fancyhf{} \fancyhead[LE,RO]{\itshape\theVolume-{\bfseries\thepage}} \fancyhead[RE]{\leftmark} \fancyhead[LO]{\rightmark} \renewcommand{\chaptermark}[1]{\markboth{第\thechapter 章\quad#1}{}} \renewcommand{\sectionmark}[1]{\markright{\thesection\quad#1}} \usepackage{bxjalipsum} \begin{document} \chapter{吾輩はアレである} \section{希望はまだ無い} \jalipsum[1-10]{wagahai} \end{document}
この文書の出力結果は以下のようになる。ヘッダ・フッタ領域の左右マージンが本文領域と同じになってしまっている。
※(bx)jsbook の既定のレイアウトがどんな感じなのかは、例の記事に解説がある。
bxjsbook の場合はコレ
v1.2a 以降の BXJS クラスでは、fancyhdr パッケージが読み込まれた場合に、fancy ページスタイルの初期設定において、「ヘッダ・フッタ領域について、横幅を \fullwidth
に合わせた上で(headings スタイルと同様に)本文領域よりも小口側(外側)に突き出させる」という設定を行う。これにより、ヘッダ・フッタの配置が“既定のページスタイル(headings)と同様の見た目”になる。
% upLaTeX 文書; 文字コードは UTF-8 \documentclass[uplatex,dvipdfmx,a4paper,ja=standard,layout=v2]{jsbook} % 例えば, ページ番号を, 前に巻番号を付けて "42-3" のように % するために, fancyhdr を利用したとする. \usepackage{fancyhdr} %(あとは先の例と同じ)
※BXJS クラスが自動的に fancyhdr パッケージを読み込むことはない。
fancyhdr オプション
先述の fancyhdr 対策は既定で有効になっている。オプションで無効化することができる。
fancyhdr=true
: fancyhdr 対策を有効にする。fancyhdr=false
: fancyhdr 対策を無効にする。
paragraph-mark オプション
paragraph-mark=<文字1つ>
: パラグラフ(\paragraph
)の見出しの記号(既定では“■”)を変更する。
コレはスゴイ……たぶん。