マクロツイーター

はてダから移行した記事の表示が崩れてますが、そのうちに直せればいいのに(えっ)

再考:TeX Advent Calendar がない理由

やはり年の初めといえばクリスマスのことを考えることに尽きる。というわけで、以前に取り上げた「なぜ TeX Advent Calendar がないか」について、もう少し考えてみる。

本来の(キリスト教における)Advent Calendar および技術系のそれについては次の@IT の記事に説明されている。

アドベントカレンダー」(Advent Calendar)とは、クリスマスまでの期間(待降節アドベント)をより楽しく過ごすため、12月1日から24日までの間カウントダウンしていく“日めくりカレンダー”のことです。
(中略)
IT業界では、このアドベントカレンダーの風習に習って、12月1〜24日の間、何かのテーマや、何らかの制限事項(縛り)を設けてWebにコラム記事を書くというイベントを楽しむようになりました(なかには25日や年末まで続けるものもあるようです)。

ひょっとしたら、そのコミュニティの「神的なものの降臨」を待ち望むという意味合いがあるのかも知れない。

だがよく考えてみると、周知の通り、クリスチャンでない日本のリア充にとってはクリスマスは、教会あるいは PC の画面の前で「降臨」を待つのではなく、恋人と仲睦まじく寄り添う日なのである。だとすると、その直前の時期に技術系のネタを仕込むための時間や心の余裕なんて持ち得ないことは容易に想像できる。すなわちこれらの人々は Advent Calendar とは無縁だと考えられる。

以上のことを考えると「TeX Advent Calendar」がない理由は極めて明らかである。すなわち:

普通の TeX 使いは総じてリア充である。

むむむ……、「普通の TeX 使い」は爆発しろ。

*   *   *

………というネタはともかく。

「TeXnician 人口が少ない」のは確かで、またそれは理由の一端だろう。対して、「拡張エンジンの知識をもつ人が少ない」のは事実だろうが、それは理由にならない気がする。「本当に新しい題材」を求めるなら、これらの拡張エンジンは恰好の対象であろう。でも、実際には「いつもブログに書いている (La)TeX ネタの延長」であって「様々なレベルの『TeX ユーザ』が面白いと感じると期待できるもの」であれば十分であり、それこそ「LaTeX (或いは TeX on LaTeX)の Tips」でもよいのである。確かに、実際の技術系 Advent Calendar のネタは概してレベルが高いように感じているが、別に「TeX Advent Calendar」がそうである必然性はないので、気を張ることもないだろう。例えば、こんな話はどうだろう。

LaTeX で巨大な(例えば 100pt の)文字(欧文も含めて)を出す方法

推測であるが、「TeX ユーザ」のほとんどがこれを実現できない、或いは「上手くいく方法は知っているが何故できるのか解らない」のではないだろうか。だとすれば、「何故できるのか解っている人」は単にその内容を書くだけで面白い記事ができるのではないだろうか。*1

実のところ、ある程度まとまった分量の話がある人は、Advent Calendar ではなく、「集い」で発表して頂きたいのではあるが……。

*1:ちなみに、これの話をするのに「TeX(on LaTeX)の知識」は全く必要がない。TeX レベルの操作が必要だと思っている人は何か不適切なことをしている可能性が高い。